細胞質のうち、細胞小器官以外の部分を細胞質基質または細胞質ゲルという。細胞質基質は複雑な混合物であり、
細胞骨格、溶解した分子、水分などからなり、細胞の体積の大きな部分を占めている。細胞質基質は
ゲルであり、繊維のネットワークが溶液中に散らばっている。この細孔状のネットワークと、
タンパク質などの
高分子の濃度の高さのため、細胞質基質の中では
分子クラウディングと呼ばれる現象が起こり、
理想溶液にはならない。このクラウディングの効果はまた細胞質基質内部の反応も変化させる。
封入体は細胞質基質中に浮かぶ不溶性物質の集合体である。細胞内含有物ともいう。生物種や細胞の種類ごとに異なる種類の封入体が存在する。たとえば植物に見られる
シュウ酸カルシウムや
二酸化ケイ素の結晶(
プラント・オパール)
の他、
デンプン、
グリコーゲン、
ポリヒドロキシブチレート(;PHB)
などのエネルギー貯蔵物質の顆粒などである。特に広く見られるものは、
油滴(もしくは脂質滴、lipid droplet)である。これは球状の液滴で、脂質とタンパク質の混合物であり、原核生物にも真核生物にも見られる。
脂肪酸や
ステロールなどの脂質の保存のために使われる
。脂質保存に特化した細胞である
脂肪細胞では、体積の多くを油滴が占める。