希ガスの性質を研究する中で、既に
水和物や
クラスレート型の化合物が見つかってはいた。しかしながら、これらの化合物においては
水素結合の網目構造の中に希ガス原子が閉じ込められているだけであり、真の化合物とは呼べない。化学結合を備えた最初の
希ガス化合物は、
1962年5月、
カナダの
ブリティッシュコロンビア大学のネイル・バートレットとD・H・ローマンによって合成された
ヘキサフルオロ白金酸キセノン (XePtF
6) である
[Bartlett, N. Proc. Chem. Soc. 1962, 218.]。酸素分子 O
2 を酸化するヘキサフルオロ白金酸の反応から類推し、O
2 (12.2
eV) とほぼ同じイオン化エネルギーを持つキセノン (12.13eV) を酸化できるのではと考えたことが成功の鍵であった。8月には XeF
4 が、同年末は XeF
2 と XeF
6 も合成された。
・Frenking, G. Nature 2000, 406, 813.