特定小電力無線局 wikipedia|無料辞書
特定小電力無線局(とくていしょうでんりょくむせんきょく)は、
電波法に基づく
無線局の免許を受けることなく、
無線機を購入してすぐに運用することができる無線局である。特定小電力無線局として運用できる無線機は、予め技術基準に適合することが認証されたことを示す表示が付された
適合表示無線設備(いわゆる「技適マーク」が付された無線設備)である必要がある。
◆ 概要
電波を発射することにより通信(音声、画像、データ等の伝送)や計測(対象物までの距離、その位置、存在、大きさ、動き等の計測)などを行う電子装置等を使用するときには、通常、電波法に定める無線局として、
総務大臣の免許を受けることが必要である。特定小電力無線局はこの無線局の免許を受けることなく、無線機を購入してすぐに運用することができる無線局である。特定小電力無線局は、小出力の小型の無線機器のニーズが増大してきたことを踏まえ、これらの技術基準を適正に維持・管理するとともに、行政事務の簡素化、無線機器の利用者や無線機器製造メーカーの負担軽減などを目指して、平成元年(
1989年)に制度化された。手軽に運用できる無線局である一方、その発射される電波の強さは低レベル(
空中線電力は0.01W以下)に制限されており、通常、近距離の通信や計測に利用される。特定小電力無線局の運用者には、電波法令や無線技術等に関する知識は不要であり、運用者に対する制限はないが、その無線機には、他の無線局の運用を阻害するような混信などの妨害を生じないように運用できるような機能を備えることが必要である。特定小電力無線局は、その用途により様々な技術基準が定められており、これらの技術基準に適合することが予め認証されたことを示す表示(いわゆる技適マーク)が付されている機器(適合表示無線設備という。)のみを利用することができ、適合表示無線設備でない機器は、特定小電力無線局として運用することができない。総務大臣が特定小電力無線局の用途別に、電波の型式、
周波数、空中線電力、通信方式などを定めており、平成元年に制度化された時点の用途は、
テレメーター用及びテレコントロール用、データ伝送用、無線呼出用、ラジオマイク用並びに無線電話用のみであったが、その後追加されて現在(平成20年12月時点)以下の14種類の用途がある。
# テレメーター用、テレコントロール用(電波を利用して遠隔地点における装置の機能を始動、変更又は終止させることを目的とする信号の伝送をいう。)及びデータ伝送用(主に符号によって処理される、又は処理された情報の伝送交換をいう。)
# 医療用テレメーター用(病院、診療所その他の医療機関又は研究機関において、生体信号の伝送を行うテレメーターをいう。)
# 体内植込型医療用データ伝送(体内無線設備と体外無線制御設備との間で行う医療の用に供するデータ伝送をいう。)用及び体内植込型医療用遠隔計測(体内無線設備が得た情報を体外の受信設備に対して自動的に送信することをいう。)用
# 国際輸送用データ伝送用(国際輸送用貨物及び国際輸送用データ制御設備との間又は国際輸送用データ伝送設備相互間のデータ伝送をいう。)
# 無線呼出用
# ラジオマイク用
# 補聴援助用ラジオマイク用(聴覚障害者の補聴を援助するための音声その他の音響の伝送を行うラジオマイクをいう。)
# 無線電話用(ラジオマイクに使用するものを除く。)
# 音声アシスト用無線電話用(視覚障害者の歩行を援助するための情報を、音声によって伝送する無線電話をいう。)
# 移動体識別用(質問器(応答のための装置(応答器)に対し電波を発射し、応答器から再発射された電波を受信するための無線設備をいう。)から発射される特定の信号により変調された電波又は無変調の電波を受信した応答器が、特定の電波を再送信することにより行う移動体の識別をいう。)
#
ミリ波レーダー用(ミリメートル波帯の周波数の電波を使用するレーダーであつて、無線標定業務を行うものをいう。)
# ミリ波画像伝送用(ミリメートル波帯の周波数の電波を使用して画像伝送を行うことをいう。)及びミリ波データ伝送(ミリメートル波帯の周波数の電波を使用してデータ伝送を行うことをいう。)
# 移動体検知センサー用(主として移動する人又は物体の状況を把握するため、それに関する情報(対象物の存在、位置、動き、大きさ等)を高精度で取得するために使用するものであって、無線標定業務を行うものをいう。)
# 動物検知通報システム用(動物の行動・生態に関する情報の通報又は付随する制御を行うことが可能となる無線システムを構成するために制定されたものであり、主に動物の位置検知用の発信器として使用するものをいう)
◆ 特定小電力無線局で使用される周波数(帯)
# テレメーター用、テレコントロール用及びデータ伝送用:312-315MHz帯、426MHz帯、429MHz帯、449MHz帯、469MHz帯
# 医療用テレメーター用:420-421MHz帯、424-425MHz帯、429MHz帯、440-441MHz帯、444-445MHz帯、448-449MHz帯
# 体内植込型医療用データ伝送用及び体内植込型医療用遠隔計測用:402-405MHz
# 国際輸送用データ伝送用:433.92MHz
# 無線呼出用:429MHz帯
# ラジオマイク用:74MHz帯、322MHz帯、806-809MHz帯
# 補聴援助用ラジオマイク用:75MHz帯
# 無線電話用:421MHz帯、422MHz帯、440MHz帯、413-414MHz帯、454MHz帯
# 音声アシスト用無線電話用:75.8MHz
# 移動体識別用:2441.75MHz、953.5MHz、2448.875MHz
# ミリ波レーダー用:60.5GHz、76.5GHz
# ミリ波画像伝送用及びミリ波データ伝送:59-66GHz
# 移動体検知センサー用:10.525GHz、24.15GHz
# 動物検知通報システム用:142.92MHzから10KHz間隔5波
◆ 電波の型式、周波数、空中線電力、通信方式等
平成元年郵政省告示第42号、平成18年総務省告示第659号による