イシダイ wikipedia|無料辞書
|種 = イシダイ
|英名 = ,Barred Knifejaw など
-->
イシダイ(石鯛) は、スズキ目・イシダイ科に属する魚の一種。日本近海に分布する大型の肉食魚で、同属の
イシガキダイと並んで食用や
釣りの対象として人気が高い。また、特に若魚を
シマダイ(縞鯛)、
サンバソウ(三番叟)、老成したオスを
クチグロ(口黒)とも呼ぶ。
◆ 特徴
成魚は全長50cm程度だが、稀に全長70cm・体重7kgを超える老成個体が漁獲される(釣魚の全日本磯釣連盟での日本記録は拓寸で78.0cm
)。体型は左右から押しつぶされたような円盤型で、顎がわずかに前方に突き出る。
鱗は細かい櫛鱗で、ほぼ全身を覆う。口は上下の顎ごとに
歯が融合し、頑丈な
くちばしのような形状になっている。
体色は
白地に
7本の太い横縞が入るが、成長段階や個体によっては白色部が
金色や
灰色を帯びたり、横縞が隣と繋がったりもする。幼魚や若魚ではこの横縞が明瞭で、この時期は特にシマダイ(縞鯛)とも呼ばれる。ただし成長につれて白・黒が互いに灰色に近くなり、縞が不鮮明になる。特に老成したオスは全身が鈍い銀色光沢を残した灰黒色となり、尾部周辺にぼんやりと縞が残る程度になる。同時に口の周辺が
黒くなることから、これを特に「クチグロ」(口黒)、または「ギンワサ」「ギンカゲ」などと呼ぶ。一方、メスは老成しても横縞が残る。
自然環境下での
イシガキダイ()との
交雑も確認されており、交雑個体()はイシダイの横縞とイシガキダイの黒斑の両方が出る。人工交雑は
近畿大学水産研究所で
1959年に成功した。この
雑種は「イシガキイシダイ」、または交雑に成功した近大に因み「キンダイ」とも名付けられている。
◆ 生態
北海道以南の日本各地、
朝鮮半島南部、
台湾に分布するが、
ハワイでも記録がある。特に
西日本沿岸で個体数が多い。よく釣れる水温は18-24度で、極度の高温・低温は好まないとされる。また、水温により成長に差がつくとも考えられている。7kgを超える個体は九州南部、四国南部、紀伊半島、伊豆半島南部、伊豆諸島北部で釣られているが、八丈島、三宅島、佐渡島、男鹿半島等では見られないことから推測出来る。
暖流に面した、浅い海の岩礁域に生息する。成魚は海底の岩陰や
洞窟に潜んだり、海底付近を泳ぎ回る。魚類にしては好奇心が強いことでも知られ、
スクーバダイビングや
漁などの際に人が近づいても逃げないことがある。稚魚は波打ち際付近にもやってきて、
タイドプールで見られたり、
海水浴場で泳ぐ人間の身体を口で突いたりもする。これは同属のイシガキダイでも見られる。
食性は肉食性で、
甲殻類、
貝類、
ウニ類などの
ベントスを捕食する。これらの動物の頑丈な殻も、くちばし状の顎で噛み砕いて中身を食べてしまう。俗に「
サザエの
貝殻も噛み砕く」と云われるが、釣り上げた個体の胃内容物を調べてもサザエや
アワビ等の殻の固い貝が見られることは稀である。
産卵期は
春で、分離浮性卵を産む。孵化した稚魚は
流れ藻や流木などに付いて外洋を漂流し、漂着物に付く小動物や
プランクトンを捕食しながら成長する。全長数cm程度から浅海の岩礁に定着し、ベントス食となる。
◆ 地方名
シマダイ(若魚・各地)、サンバソウ(若魚・各地)、クチグロ、ギンワサ、ギンカゲ(オス老成個体・各地)、ハス(各地)、ナベワリ(静岡-和歌山)、ワサナベ(和歌山)、ナベダイ(愛知)、コウロウ(高知)など地方名が多い。サンバソウは
能楽の用語「
三番叟」に由来する。
一方、英名は "Striped beakfish"(縞の、くちばしがある魚)"Barred Knifejaw"(帯のある、
ナイフのような顎)などがある。"Knifejaw" はイシダイ科の魚の総称として用いられる。
◆ 利用
生息環境の厳しさ・個体の少なさ・成魚の大きさ・引きの激しさから磯
釣りの対象として人気が高い。特にクチグロは釣り人の憧れの的ともなっている。ただし成長が遅く長命な魚なので、
乱獲の影響で大型個体が減っている。稚魚や若魚は
水族館などでよく
飼育される。好奇心が強いことを利用し、輪くぐりなどのショーを行う施設もある。
食材としての
旬は
秋である。身は白身で、全長40cm程度までが美味とされる。大型個体は却って味が落ち、
シガテラ中毒の危険もあるので食用には向かない。また、死後に時間が経つと磯臭さが強くなるので、この点でも注意を要する。主な料理法は
刺身、
洗い、
寿司種、
塩焼き、
煮付け、
唐揚げ、
ポワレなど。
◆ 脚注
◆ 参考文献
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