イチジクの場合、熟した果嚢は全体がやわらかく熟し、食べられるようになるが、愛玉子やオオイタビは嚢状体の壁は堅くなり、熟すと裂け、
ペクチンを多く含む
ジャムのようなものに埋まった、
ゴマの種子に似た、微細な果実の塊を露出する。このジャムのような果実の塊は甘く、そのままでも食べられるが、この果嚢を裏返して取り出した
胡麻粒ほどの大きさの種子(植物学上はこの個々の粒が果実そのもの)を乾燥して保存し、愛玉冰の材料に用いる。
愛玉子は植物の中で、とりわけペクチンの含有量が多いため、
寒天などのように加熱することなく固まる珍しい特質がある。乾燥したひとつかみの種子を布袋に入れて水の中で10分程度揉んでいると、果実をくるむペクチン質の部分が溶け出て水を吸った
ゲル状に膨潤し、弾力性が出てくる。それを2時間ほど放置すれば常温で寒天状の愛玉子ゼリーができる。用いる水に適度のカルシウムが含まれていなければ凝固しないため、
蒸留水や
軟水では作れない。また油分によっても凝固が妨げられる。通常は氷水や冷蔵庫で冷やして食べる。愛玉子ゼリーそのものには際立った味や強い甘みがなく、一般的には
レモンシロップなど甘みのあるシロップをかけて提供される。台湾の夏の風物詩で、屋台やデザート店、レストランなど幅広い場所で食べることが出来る。
タピオカティーを販売するドリンクスタンドでは、愛玉子ゼリー入りの飲み物が定番商品として販売されている。